PDF-x1aの可能性

1995年のWindows95から始まるインターネットの普及

により、
今や当たり前のツールとして存在するようになったメール。
そしてまた、それに合わせる様に"PDF"でのデータ確認・校正、
入稿も増えるようになってきました。

そういった中、ここ数年話題になり、また実際入稿形式として増えているのが
『PDF-x1a』です。

"クライアントへのPDFでの校正"というのは定着している感がありますが、
印刷会社さんに聞いても、やはり「PDFでの入稿は増えている」と聞きます。
また、私の以前の会社でも、フリーペーパーのデータは『PDF-x1a』で
入稿していました。

校正用にメールで送る際は、PDFのデータが重過ぎないよう写真の保存設定を
低くしたりしますが、通常のPDFとこの『PDF-x1a(PDF-X)』は
どう違うのでしょうか?

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CSシリーズのイラストレーターには、通常のPDF保存形式の中に
『PDF-x1a』があります。
利用するとどう変わるのか、

1)使用フォントが全て埋め込まれる
2)画像は高解像度(350dpi前後)で埋め込まれる
3)使用できるカラーはCMYKか特色のみ

と、大きく3つあります。
この内容だけで、まさに印刷物のためのPDFだとお分かりいただけると思います。

DTP制作者を悩ませる、フォントの問題と写真のリンクの扱い、色の問題と
ほぼ全ての悩みを解決してくれるわけです。
特に印刷所の方には非常に喜ばれる入稿形式といっても過言ではないと思います。

なぜか?校正物との出力ミスが格段に少ないからです。
ミスが発生するとしたら、おそらく機械が壊れた時くらいでしょう。

ただ、いいことばかりでもなく、透明効果などエフェクトを激しく使うと
画像が分割されるというデメリットがあります。

私も制作管理をしていたので、フリーペーパー入稿前にPDFのデータチェックをした際
(Acrobat7.0 Professionalを使用)、分割されるページが発生し原因究明に皆で処理して
スケジュールが狂い、慌てることもよくありました。
これに関しては、事前にイラストレーター側で画像を埋め込んでおけば回避できます

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私は今もページ物なんかで、特に文字ベースで解像度が要求されないものなどは、
『PDF-x1a』を使用しています。

先程もいいましたが、イラストレーターにすでに付いている保存形式でもありますので、
是非使ってみてはいかがでしょうか。保存形式をカスタマイズしたり、
AcrobatのProfessionalを利用してプリフライトすると、さらにグーです(笑)。

※プリフライト・・・出力前のデータ確認の意

野球観戦&広告戦略

先週金曜日。
午前中に前日の撮影機材を四ッ谷まで返却。
路駐チェックの警察をかわしながら無事終了。結局、駐車場に車とめました(笑)。

そのまま新宿にて一眼デジカメ・三脚他新しい機材を購入。
デジカメは一気にグレードアップ!いい画撮れそうです。
D700といいたいところですが、Nikon D300に。充分いいカメラです。

そして、今日は10数年振りの野球観戦の日。
早々に仕事も切り上げ、嫁さんと千葉マリーンスタジアムへ。
高校時代陸上部だったこともありましたが、ほとんどスポーツに関心のない私は、
おそらく今回は小学校以来のプロ野球観戦だと思います。

盛り上がる球場!
週末でしたし、ちょっとしたお祭り状態です。
この時点で「野球って、いいね」みたいな気分になっちゃいますよね(笑)

いただいた野球チケットでしたので内野の3塁側か2階席。
着いた時にはもう試合が始まっていたので3塁側は満席。2階へ。

スタンド、急ッスねと突っ込みたくなる程、
たぶん居眠りしたら下に転げ落ちるだろうほど席が急角度です(笑)。
陸上の試合の時にも座っているのである程度わかってはいますが、
「こんなに急角度?」みたいな感じで。

いや〜、でもグラウンドは気持ちいい!
季節も梅雨とはいえ暑すぎず寒すぎずで、夕暮れの風が気持ちいい。

そんな中、グラウンド周囲にぐるりと光る掲示板が!
なになに、おおっ、何やらメールの文章のようなものがグルグル回っている。
『今日のマリーンズの試合、一緒に観えてよかった♪』みたいなゆるい文章がつらつらと…。
その後に、んっ、BIGLOBE、広告か。

合間合間に新幹線の絵が飛んできて、『JP東海』だったり、
イチバン笑えたのが、中央の得点掲示板の下のピッチャー投球スピードの後に、
『141km コアラのマーチ』『122km お口スッキリ!』みたいな、それっロッテの広告!みたいな(笑)

いやいや、よくよく見たら、ファウルボールの告知の掲示板やらなんやら、
人の目がいく所いく所、ほぼ全てに広告の装置が張り巡らされてます。
なにげにすごいことになっているなと感心です。

 

ほぼやりくちがWEBと同じです。
というか、野球場ですらここまでメディアと人の動きや関心ごとにシフトして広告が構築されているって、すごく現代的というか、広告戦略がすっかり変わってしまったと非常に感じました。

WEBで構築された広告ノウハウがこういった言わばアナログな野球場で展開され、
また、アナログな広告手法や営業術がWEBのプロモーションにリアル展開として用いられていく。

何でもないようですが、またひとつ共存というか、広告の発展モデルを垣間見た気がしました。

そして、花火がバンバン上がり、マリーンズの大松は満塁ホームランを打ち、いい気分でエンターテイメントを見せられ、まったく野球に興味のなかった私も帰る頃にはすっかりマリーンズファンになりつつあるのであった。戦略にハマりました(笑)

Yakyu_5

今号のオススメブックス 第4回

新コーナー、4回目!毎号、

内容に関連した使える本やグッズを紹介しています。
今回は、1)に関連して、紙関係の本を紹介します。

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価格:¥ 525(定価:¥ 525)
おすすめ度:

●現在出回っている、特にファンシーペーパーの種類がデータベース的にまとめられて
いますので、とても役に立ちます。私も当初かなり紙の本は探しましたが、
竹尾さんから出ている本とこれは非常に使えます!

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価格:(定価:¥ 1,890)
おすすめ度:

●名前のごとく、本と雑誌の実際の現場(会社内)にて取材し構成されているので、
非常にリアリティーがあり良本だと思います。また、後半の竹尾での営業担当者への
取材、現在発売中の本の紙の使用品名等も掲載してあるので、ここでもより業界の
内容が見えてくるかと思います。

-毎回覚える!使えるショートカット集2-

前回からスタートしましたこの企画、

今回も新たにイラストレーターで使える
便利なショートカットを紹介していきます!

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[ Commandキー+F ]-同じ位置にオブジェクトを複製-

これは非常に使えます!コピー&ペーストはよく使いますが、イラストレーターを
使い慣れてくると「別のファイルの、しかも同じ場所にコピーがしたい」という
ことがよくあります。その時使うのが、このショートカットです!
気持ちよ~く、まったく同じ位置にコピーしてくれます。

Commandキー+V(コピー)慣れしてきて、急にこのショートカットを覚えると
異常に嬉しいもんです笑。また、通常最前面にペーストされますが、
Commandキー+Bの場合、背面にペーストされます。

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また、同時に覚えたいのが、

[ Commandキー+Shiftキー+] ]-オブジェクトを最前面に移動-
[ Commandキー+Shiftキー+[ ]-オブジェクトを最背面に移動-

です。

先程のコピーした場所と同じ場所にペーストするのもそうですが、その後に
オブジェクトの前後関係も頻繁に調整します。レイヤーでオブジェクトを分ける
こともそうですが、ここでこれらのショートカットを覚えて、スムーズに前後関係の
調整をしてみてください。最初、]と[がどっちが最前面で最背面だったか焦りますが笑、
必ず作業がスピーディーになるはずです。

※共に、WINの場合はCommandキー→Ctrlキーです。

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前回のAdobe系DTPソフトで使える基本ショートカットに続いて、
イラストレーターでのショートカットを紹介しました。

やはり、デザインする者にとって、イラストレーターというソフトは
欠かせない存在です。「1日の作業の中で使わない日はない!」と断言しても
過言ではないでしょう。実際、自分もほぼ使っていない日はありません。
改めて今、そのことにビビっています笑。

まず最初に、デザイナーの手足となる、このイラストレーターのショートカットを
みっちり取り扱っていこうと思いますので、今後もご期待ください♪

紙のバリエーションは無限大◎

前回号の途中辺りで無事ブログも立ち上がりまして、

その中でも少し紹介させて
もらいましたが、今回は"紙"について掘り下げていこうかと思います。

デザインの仕事を扱い出すと、必ず紙の仕様について考える機会があります。
といいますか、紙の使い方ひとつで大きく制作物のテイストは変わりますし、
そこまでも紙によってデザインすることができます。

チラシ等のいわゆる"ペラもの※1"や大量部数のフリーペーパーなどは、始めから
指定業者さんとの関係やコスト面で使用する紙が決まっている場合がほとんどですが、
新規クライアントのDMや名刺、特に"ページもの※2"は紙のバリエーションを
自由に選べることが多いかと思います。

※1 ペラもの:チラシなど、1ページものの制作物をさす。
※2 ページもの:冊子など、ページ数のある制作物をさす。

また美容室のDMや名刺ですと、職業柄からもクリエイティブな表現を好む
お客さんが多いので、デザインだけでなく紙選びも好きにやらせてもらえたりします。

私の知り合いの広告代理店 営業さんも、奥さんが美容師さんなのもあり「美容室の
体質とデザイン事務所の体質は似ている」なんて言っていましたが、まんざら嘘では
ないなと思ったりしています。

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そんな紙の世界ですが、果たして紙の種類ってどれぐらいあるのでしょうか?

主な用紙種類として、
・上質紙(非塗工紙):書籍の中面や単色のチラシによく使われます。紀州上質紙等、
使用頻度が高い上質紙ですが、そのポピュラーさ故にチープな
イメージを持つ人もいますが、製品種類も多く、名前のごとく
非常に上質な紙です。

・コート紙(塗工紙/グロス):もっともベタな紙と言っていい程、新聞折込チラシ等
多々使用される紙です。ポスターやチラシなど、
ペラものはまずこの紙を使っておけばハズレがありません。

・アート紙(塗工紙/グロス):写真集などによく使われる、コート紙よりもさらに光沢が
あり、彩度も高い紙です。ペラものにも使用します。

・マット紙(塗工紙/マット):こちらも名前のごとく、質感がマット(つや消し)な紙に
なります。カラー印刷面に光沢の出る「ダル」タイプと
光沢が少なくシックなテイストの「マット」タイプが
あります。

このカテゴリー分けの時点で、ややこしくて軽くいやになってきますが笑。

ここにさらに『ファンシーペーパー』等、特殊紙を入れると大変なことになります。

製品名だけでいいますと、正直数えきれません。そのくらい膨大な数があります。
竹尾のようなペーパー専門の商社の営業さんを除いて、おそらく全ての製品を
完璧に把握している人っていないのでは?と思うくらいあります。

しかし、この以上な製品の多さが、『紙選び』の妨げになっているのも事実だと
思います。

ですので、我々は本当によく紙のことを知らなければなりません。

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学びの方法として、

1. 竹尾や平和紙業ペーパー専門の業者の展示ショップに足を運ぶ。

2. 印刷会社や出力センターの営業担当者さんと仲良くなり、
こちらから紙の仕様を聞いてみる。また、サンプルを取り寄せてもらう。

3. 紙の専門書を読んでみる。  

等、あるかと思います。

紙の情報を知ることもそうですが、何よりも『紙そのものを見て、さわってみる』
ことが一番かと思います。その為にも、1.や2.は非常に手っ取り早い方法です。

また、気になった紙や展示会で見て「面白い!」と思った紙は、即仕事の案件に
使ってみるというのもおススメです。特にリスクの少ない自社製品をつくるとき
(名刺や自社パンフなど)に、思い切って気になっていた紙を使ってみたり見積を
とってみてはいかがでしょうか。

やはり、頭だけでなく『経験』で覚えることの方がスムーズに身に付きますよ。

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【おススメのペーパー展示ショップ】

竹尾 見本帖本店 http://www.takeo.co.jp/web/shop/

平和紙業 ペーパーボイス東京 http://www.heiwapaper.co.jp/j/shop/shop.html

王子製紙 ペーパーライブラリー http://www.ojigroup.net/designers/library/index.html

デザインスクール_リンク集

WAOクリエイティブカレッジ http://www.wao-creative.com/

バンタンキャリアスクール http://www.vantan-career.co.jp/

OPUS(大阪) http://www.opus-school.com/

MdN school of design http://school.mdn.co.jp/

マルティメディアスクールWAVE http://www.mswave.co.jp/

ヒューマンアカデミー http://haa.athuman.com/

今号のオススメブックス 第3回

新コーナーもいよいよ3回目です!
毎号、内容に関連した使える本やグッズを紹介しています。
今回は、クリエイティブディレクター関係の本を紹介します。

佐々木宏 (世界のグラフィックデザイン 85)佐々木 宏
価格:¥ 1,223(定価:¥ 1,223)
http://www.amazon.co.jp/dp/4887523076/ref=nosim/?tag=designbusines-22

●先日、ギンザ・グラフィック・ギャラリー(ggg)にて、
『がんばれニッポン、を広告してきたんだ そう言えば、俺。応援団長佐々木●宏
展に行ってきました。

Sasaki

http://overseas.typepad.jp/designbusi/2008/06/post-aaf5.html
※「生まれたてデザイナーの為のビジネス力」Blogより

当初、JAGDAの新人賞展と勘違いして行ってしまったのですが(笑)、
あの佐々木さんの展示会か、と作品紹介のコピーをよくよく読んでいるうちに、
どんどん引き込まれてしまいましたねぇ。
最終的にはギャラリートークにまで足を運ばせていただきました(笑)。

本もさることながら、是非展示会の方にも参加してみてください。
やはり、広告はその制作にまで行きつくプロセスを知ってこそ、
本当の深い落としどころが見えてくるし、そこが一番の学びどころだと思います。

『がんばれニッポン、を広告してきたんだ そう言えば、俺。応援団長佐々木●宏』
2008年6月5日(木)~6月28日(土)
ギンザ・グラフィック・ギャラリー(ggg)
http://www.dnp.co.jp/gallery/ggg/

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価格:(定価:¥ 1,070)
おすすめ度:

宣伝会議での雑誌紹介ページ
http://www.sendenkaigi.com/hanbai/magazine/brain/index_0806.html

●宣伝会議の本はどれもいいですが、定期的に買うのであれば、広告の現場情報と
ニュースが満載の"ブレーン"がオススメかと思います。制作ディレクションの現場
についてリアルに掲載されています! 内容にも増して1070円と、お買い得です。

新企画 -毎回覚える!使えるショートカット集1-

新たに新企画が始まります!
『毎回覚える!使えるショートカット集1』ということで、
パソコンでの制作では欠かせない"ショートカット"を覚えていきましょう♪
というコーナーです。

毎週1つ新しいショートカットを覚えた場合、1年で52個覚えられることになります。
幾つか知っているものを入れれば、1年続けただけで相当のショートカット通になれます。
この夢のような挑戦に(笑)挑んでいきましょう!
やはり、"続ける"ことですね。

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[基本ショートカットのおさらい(MAC編)]
-皆さんは幾つ分かる?-

○コマンド+C コピーする
○コマンド+V ペーストする
○コマンド+X カットする
○コマンド+A 全てを選択する
○コマンド+Z 操作を取り消す(一つ前の状態に戻す)

○コマンド+0(ゼロ) 全体を表示する
○コマンド+1(イチ) 実寸で表示する
○コマンド++(プラス) ズームアップする
○コマンド+ー(マイナス) ズームアウトする
○コマンド+R 定規を表示・隠す

○コマンド+N ファイルを新規作成
○コマンド+O(オー) ファイルを開く
○コマンド+W ファイルを閉じる

○コマンド+S ファイルを保存
○コマンド+shift+S ファイルを別名保存
○コマンド+option+S ファイルを複製保存

○コマンド+P プリントする
○コマンド+shift+P 用紙を設定する

○コマンド+Q アプリケーションを終了

※WINの場合は、コマンド→Ctrlキーです。

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以上が、Adobe系のDTPソフトで使用できる基本ショートカットになります。

皆さんは幾つ分かりましたか?
通常使い慣れている方ですと、まず全て使用しているショートカットに
なりますので、ここで覚えておきましょう!

ブラインドタッチと同じで、
ショートカットも最初使い慣れていないと非常に手間な気がするものです。

ですが、"慣れると格段に業務スピードがアップする"という、
それがショートカットの魔法なのです(笑)。ほんとです。

ですので、きっかけがある度に、どんどんショートカットを覚えていきましょう!

デザイナーというポジション~業界でのデザイナーの役どころ~

第2回でふれましたので、
早速今回、"デザイナーのポジション"ということで、題目にさせてもらいました。

夢のデザイナー、されどデザイナー、そして現実はどうなのか?
いきなりシビアな話になりますが、現実は『全て能力によりけり』です。

前回もクリエイティブディレクターやアートディレクターのことにかなりふれましたが、
実際の現場では、「デザイナー」という肩書きは、正直軽いポジションになります。

こう言うと夢がないかもしれませんが、現場でのデザイナーの扱いは、
大概"若手のオペレーター兼レイアウト担当"というのが妥当かと思います。
特に、印刷会社や自社で大量製作している会社はこういう扱いが多いです。

逆に、デザイン事務所の場合、営業担当者がいる所は別として、社長がクリエイティブディレクターと営業を兼任、その他はチーフのアートディレクターとデザイナーのみ、なんていうパターンもあります。

そういった所は、少人数でしかもクリエイターばかりだったりするので、デザインの世界にドップリつかりやすいと思います。
しかし、デザインレベルも高いので(周りはみんなデザイナー)制作力での弱肉強食の戦いに喰らいついてゆかねばなりませんが...。
その環境で頑張っていけば、非常に鍛えられるはずです。

私も特に美大の時は、極端に言えば学内の学生全員がクリエイター・デザイナーなので、
その中でなんとかせめて学科内くらいは制作で目立とうと必死でした(笑)。

当時、クラブミュージック、特にドラムンベースやテクノにハマッていたので、妙にスペーシーなプランを作ってみたり、プレゼンの写真も当時まだPhotoshop4.0が出たぐらいの頃でパソコンも一式揃えると50万はするしですぐに持てないので、ブラックライトで光を演出して一眼レフで撮ったりしていました。

アナログですね~、自分ではかなりハイテク気分でしたけどね(笑)。
今思えばかな~り"奇をてらう"提案が多かったかなと。

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しかし!

ここで言い切ってしまいますが、
仕事の環境の中では、正直、"デザイン"が全てではないのです。

どうしてもデザイナーを目指すとなると、デザイン!デザイン!と展示会に行ってみたり、
洋書を買ってみたりと、世界に入り込むことばかりに一生懸命になりがちですが、
ここで落とし穴なのが、そうすることで世界に入るのはいいが、
大概入ってしまっているのは『自分の世界』だったというオチです

先ほどお話した私自身の経験もそうですが、デザインに走り過ぎる
往々にして独りよがりな世界におちいってしまうということがよくあります。

実際の現場の仕事環境の中では、相当なクリエイターでない限り、
その人の好きなものを作ってくれなんて都合のいい仕事はありません。

というか、あり得ません。

著名なデザイナーですら、そのポジションにくるまでの下積み仕事時代が必ずあります。

このことに関しては、自分も相当痛い目にあっています(笑)。
美大卒業すぐなんかは、社会からすれば、"クリエイター気取りの自信過剰のおバカ野郎"ですよ、ほんと。ほとんどの美大・美術系学校の出身者は最初の就職で鼻をへし折られてるでしょうね(笑)。

まあ今でこそ笑えますが、当時は真剣ですから。

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ここでポイントなのですが、
逆に言えば、『ビジネスを理解したデザインは受け入れられる』ということなんです。
ここをよくよく理解していただければと思います。

また、ここが一番の肝で難しいところなのですが、どの著名デザイナー・クリエイティブディレクターも必ず本人のデザインセンスをフルに発揮しながら、ベストなビジネスモデルをその制作物を使って構築しています

デザインする人に求められていることは、高い次元では『制作物を通してのビジネスモデルの構築、もしくは訴求』ということになります。
決して間違っても、表面のレイアウトや奇抜なデザインを追及することではありません。

ここの理解に行き着くまでに、デザイナーを目指す者皆、良くも悪くも痛い目にあってきます。なので、皆さんは是非そうならないよう、仕事である以上「デザインはビジネスだ!」ということをよくよく理解しておいてください。


それをどこまでもクリエイティブに表現している人こそ、売れっ子のクリエイティブディレクター
の方々なんです。
ここを理解して制作物を見ていくと、まったく見え方が変わってきます。

どういう風にクライアントの商品を売る為の流れを広告上で展開しているのか、
という風に視点が変わってきます。


アートな感覚とビジネスが融合されているというところに、
デザインや広告の面白さがあるんです。

金藤、されど金藤

王子製紙の製品に、『OK金藤』という紙があります。

ポピュラーなアート紙の一つで、大手の出力センターでしたら
ほぼ何処でも常備紙として扱っています。
私は特に、マットコート紙としても扱われている『サテン金藤』の
マットPPの質感が大好きです。

※紙については今後メルマガでも詳しく扱います。

パンフなんかにもよく使われるサテン金藤+マットPPの組み合わせですが、
自分で本を出版する際は、カバーは是非これでいきたい!なんて思っていますが。
もしくはルミネッセンスか。

ちなみにこの『金藤』、なんと読むかご存知でしょうか?
「きんとう」ではないですよ笑。

これ、「かねふじ」でもなく、実は『きんふじ』なんですねぇ。
ややこしい!

読み方もさることながら、もう一つ『金藤』にひそかに想いを寄せる理由がありまして。『金藤』は、なんとうちの実家の近県鳥取県の王子工場にて作られているんですね-。

ここまでくるとかなりバカっぽいですが笑、
『好きな紙を持つ』っていうのは重要だと思います。

なにより紙を覚えていくキッカケになるので、
是非皆さんも好きな紙を作ってください。

今年も竹尾のペーパーショウに行きましたが、
本当に紙一つでガラッと制作物のイメージが変わります。
また、表現の幅がイッキに広がりますね。

そんなにたっぷり予算を掛けてくれるクライアントは稀だといってしまったらおしまいですが、クリエイター魂に火を付けてくれる、それが各バリエーションの紙達なんです。

竹尾ペーパーショウ2008 http://www.takeo.co.jp/web/event/papershow/2008.html

Takeo

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