今号のオススメブックス 第4回

新コーナー、4回目!毎号、

内容に関連した使える本やグッズを紹介しています。
今回は、1)に関連して、紙関係の本を紹介します。

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価格:¥ 525(定価:¥ 525)
おすすめ度:

●現在出回っている、特にファンシーペーパーの種類がデータベース的にまとめられて
いますので、とても役に立ちます。私も当初かなり紙の本は探しましたが、
竹尾さんから出ている本とこれは非常に使えます!

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価格:(定価:¥ 1,890)
おすすめ度:

●名前のごとく、本と雑誌の実際の現場(会社内)にて取材し構成されているので、
非常にリアリティーがあり良本だと思います。また、後半の竹尾での営業担当者への
取材、現在発売中の本の紙の使用品名等も掲載してあるので、ここでもより業界の
内容が見えてくるかと思います。

紙のバリエーションは無限大◎

前回号の途中辺りで無事ブログも立ち上がりまして、

その中でも少し紹介させて
もらいましたが、今回は"紙"について掘り下げていこうかと思います。

デザインの仕事を扱い出すと、必ず紙の仕様について考える機会があります。
といいますか、紙の使い方ひとつで大きく制作物のテイストは変わりますし、
そこまでも紙によってデザインすることができます。

チラシ等のいわゆる"ペラもの※1"や大量部数のフリーペーパーなどは、始めから
指定業者さんとの関係やコスト面で使用する紙が決まっている場合がほとんどですが、
新規クライアントのDMや名刺、特に"ページもの※2"は紙のバリエーションを
自由に選べることが多いかと思います。

※1 ペラもの:チラシなど、1ページものの制作物をさす。
※2 ページもの:冊子など、ページ数のある制作物をさす。

また美容室のDMや名刺ですと、職業柄からもクリエイティブな表現を好む
お客さんが多いので、デザインだけでなく紙選びも好きにやらせてもらえたりします。

私の知り合いの広告代理店 営業さんも、奥さんが美容師さんなのもあり「美容室の
体質とデザイン事務所の体質は似ている」なんて言っていましたが、まんざら嘘では
ないなと思ったりしています。

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そんな紙の世界ですが、果たして紙の種類ってどれぐらいあるのでしょうか?

主な用紙種類として、
・上質紙(非塗工紙):書籍の中面や単色のチラシによく使われます。紀州上質紙等、
使用頻度が高い上質紙ですが、そのポピュラーさ故にチープな
イメージを持つ人もいますが、製品種類も多く、名前のごとく
非常に上質な紙です。

・コート紙(塗工紙/グロス):もっともベタな紙と言っていい程、新聞折込チラシ等
多々使用される紙です。ポスターやチラシなど、
ペラものはまずこの紙を使っておけばハズレがありません。

・アート紙(塗工紙/グロス):写真集などによく使われる、コート紙よりもさらに光沢が
あり、彩度も高い紙です。ペラものにも使用します。

・マット紙(塗工紙/マット):こちらも名前のごとく、質感がマット(つや消し)な紙に
なります。カラー印刷面に光沢の出る「ダル」タイプと
光沢が少なくシックなテイストの「マット」タイプが
あります。

このカテゴリー分けの時点で、ややこしくて軽くいやになってきますが笑。

ここにさらに『ファンシーペーパー』等、特殊紙を入れると大変なことになります。

製品名だけでいいますと、正直数えきれません。そのくらい膨大な数があります。
竹尾のようなペーパー専門の商社の営業さんを除いて、おそらく全ての製品を
完璧に把握している人っていないのでは?と思うくらいあります。

しかし、この以上な製品の多さが、『紙選び』の妨げになっているのも事実だと
思います。

ですので、我々は本当によく紙のことを知らなければなりません。

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学びの方法として、

1. 竹尾や平和紙業ペーパー専門の業者の展示ショップに足を運ぶ。

2. 印刷会社や出力センターの営業担当者さんと仲良くなり、
こちらから紙の仕様を聞いてみる。また、サンプルを取り寄せてもらう。

3. 紙の専門書を読んでみる。  

等、あるかと思います。

紙の情報を知ることもそうですが、何よりも『紙そのものを見て、さわってみる』
ことが一番かと思います。その為にも、1.や2.は非常に手っ取り早い方法です。

また、気になった紙や展示会で見て「面白い!」と思った紙は、即仕事の案件に
使ってみるというのもおススメです。特にリスクの少ない自社製品をつくるとき
(名刺や自社パンフなど)に、思い切って気になっていた紙を使ってみたり見積を
とってみてはいかがでしょうか。

やはり、頭だけでなく『経験』で覚えることの方がスムーズに身に付きますよ。

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【おススメのペーパー展示ショップ】

竹尾 見本帖本店 http://www.takeo.co.jp/web/shop/

平和紙業 ペーパーボイス東京 http://www.heiwapaper.co.jp/j/shop/shop.html

王子製紙 ペーパーライブラリー http://www.ojigroup.net/designers/library/index.html

金藤、されど金藤

王子製紙の製品に、『OK金藤』という紙があります。

ポピュラーなアート紙の一つで、大手の出力センターでしたら
ほぼ何処でも常備紙として扱っています。
私は特に、マットコート紙としても扱われている『サテン金藤』の
マットPPの質感が大好きです。

※紙については今後メルマガでも詳しく扱います。

パンフなんかにもよく使われるサテン金藤+マットPPの組み合わせですが、
自分で本を出版する際は、カバーは是非これでいきたい!なんて思っていますが。
もしくはルミネッセンスか。

ちなみにこの『金藤』、なんと読むかご存知でしょうか?
「きんとう」ではないですよ笑。

これ、「かねふじ」でもなく、実は『きんふじ』なんですねぇ。
ややこしい!

読み方もさることながら、もう一つ『金藤』にひそかに想いを寄せる理由がありまして。『金藤』は、なんとうちの実家の近県鳥取県の王子工場にて作られているんですね-。

ここまでくるとかなりバカっぽいですが笑、
『好きな紙を持つ』っていうのは重要だと思います。

なにより紙を覚えていくキッカケになるので、
是非皆さんも好きな紙を作ってください。

今年も竹尾のペーパーショウに行きましたが、
本当に紙一つでガラッと制作物のイメージが変わります。
また、表現の幅がイッキに広がりますね。

そんなにたっぷり予算を掛けてくれるクライアントは稀だといってしまったらおしまいですが、クリエイター魂に火を付けてくれる、それが各バリエーションの紙達なんです。

竹尾ペーパーショウ2008 http://www.takeo.co.jp/web/event/papershow/2008.html

Takeo

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